
現場へ! 2度目の熊本地震(5)
10月11日、熊本県氷川町の被災農家の庭に、木造の仮設住宅がトラックで運ばれてきた。一般社団法人「日本オフサイト建築協会」(東京都)の加盟業者が福岡県で製造したものだ。庭の入り口が狭いため、分割してフォークリフトで移したあと、組み立てて水道などを引いて翌日には住める状態になった。
協会の設立者で立教大社会デザイン研究所所長の長坂俊成(64)は、この時を首を長くして待っていた。仮設住宅を木造でもっと簡単に早く建てられ、移動が可能で、恒久的にも住めるようにできないか。それを追求してきた。
東日本大震災が原点
原点は、2011年の東日本大震災だ。防災科学技術研究所の職員として岩手県で罹災(りさい)判定のシステムを提供しているなかで、仮設住宅のあり方に疑問を持った。

全国から集まった大勢の作業員が建設に当たり、近隣の宿泊施設に滞在するため、宿泊施設を被災者の2次避難に使えない。建てても被災者が再建した自宅や災害公営住宅に移ると、撤去される。建築分野は素人だったが、大学教員に転職し、研究を始めた。
16年の熊本地震では、一般社団法人「協働プラットフォーム」(三重県)に参加。自治体業務の指揮を支援する一方、トレーラーハウスを寄付金で調達したり、それを仮設の福祉避難所として管理したりした。
南海トラフ地震で必要になる…
